投資といわれても、なんだかよくわからなくて怖い、お金が無くなってしまうかもしれない、と思う方もいるでしょう。
まずは投資の基本を理解し、投資の種類について学びましょう。
投資とは?
「投資」とは利益を見込んでお金を出すことで、株式や投資信託などの購入がこの「投資」に当たります。
投資は、銀行の預貯金とは異なり、期待できる利益が確約されておらず、投じたお金(元本)も確保されません。しかし、リスク(不確実性)があるからこそ、お金が得られる可能性(リターン)があるのです。
投資のリスクを減らす方法がある。それは分散投資。
リスクを減らす方法の一つに分散投資があります。
分散投資には、「資産・銘柄」の分散、「地域の分散」、投資する時間をずらす「時間分散」という考え方があります。
株式相場の世界では、先人が、その経験を基にして、さまざまな格言を残しています。
そのうちのひとつに、「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。
卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということ。
特定の商品だけに投資をするのではなく、複数の商品に投資を行い、リスクを分散させた方がよいという教えです。この考え方は資産・銘柄の分散の手法のことを言っています。
一度に多額の投資を行うのではなく、少額で同じ金額を定期的に投資を行うことで、時期による値動きに応じて、価格が高い時期だけでなく、価格が低い時期にも投資を行うことで、長い目で見ると、損失の程度を軽減することが可能になります。これが時間分散の考え方になります。
投資によって得られる2つの収益タイプ
投資で求められる収益には、大きく分けて「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。どちらの収益を求めるかに応じて投資の仕方が変わってきますので、それぞれの違いを知っておくことが大切です。
インカムゲイン
資産を「保有」することで得られる収益がインカムゲインです。例えば、投資信託なら分配金、株式では配当金、債券なら利子が該当します。
これらの収益は、支払われる時期が決まっていることが特徴です。インカムゲインを得るためには、その時期に資産を保有している必要があります。
資産を保有し続けると継続した収益を期待できますが、投資信託の分配金や株式の配当金は、業績や運用の成果によって金額が変動するものです。また、業績によって支払われない場合もある点を、押さえておきましょう。
キャピタルゲイン
価値が変動する資産の「売買」で得られる収益がキャピタルゲインです。投資信託や株式、不動産、仮想通貨などの売買で得られる収益が該当します。
例えば、株価が30万円のときに購入した株式を35万円で売却した場合、差額の5万円(※税金や手数料は考慮せず)がキャピタルゲインです。
キャピタルゲインは、インカムゲインよりも利益が大きくなる可能性がある一方、損失も大きくなる可能性があります。
投資の種類 ~代表的な投資の種類~
投資と聞くと、投資信託や株式をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、他にも投資商品には複数あります。商品によって、期待できる利益や損失の度合い、取扱いをしている金融機関は異なるものです。
難しい言葉が並びますが、
投資信託
投資信託では、「資産運用の専門家」である運用会社が、投資家に代わって運用を行います。たくさんの投資家から集めたお金をもとに運用するので、大きな資産規模となり、複数の対象に分散して投資が可能です。
対象となる投資先には、例えば国内外の株式や債券、不動産などがあり、目標とするリターンやリスクに応じてこれらの組み合わせ方や配分を変えています。なお、投資信託のなかでも株式を組み入れて運用できるものが「株式投資信託」です。
また、不動産の投資信託のことを「REIT(リート)」といいます。これは、投資家から集めた資金でファンドマネージャーが複数の不動産に投資を行い、そこから得られる家賃収入や不動産の売買益を投資家に配当するものです。
1つの資産だけに投資すると、投資先の業績や景気によって受ける影響が大きくなる傾向にありますが、投資先を分けることでリスク分散ができます。
投資家が一人で分散投資する場合は、資金のみならず、経済動向や金利、税金といったあらゆる分野の知識が必要です。しかし、投資信託なら、たくさんの投資家がお金を出し合う仕組みであるため、少額から投資(購入)ができます。
外貨預金
外貨預金とは、円ではなく米ドルやユーロなどの外貨で行う預金です。一般的な円預金と同様の仕組みで、預けたお金に対して利息が付与されます。
預入れ時には円から外貨に、引出し時には外貨から円に換金してお金を出し入れするため、為替変動の影響を受けることが特徴です。
例えば、預入れ時よりも払出し時に「円安」になれば利益を得られます。しかし、「円高」になった場合は預入れたお金(円建て)よりも下回り、損失が発生する仕組みです。なお、預入れ時と引出し時には為替手数料が発生します。後述するFXとは異なり、外貨預金は手持ち資金以上の取引ができません。
国債
国債(こくさい)とは、国が資金調達のために発行する債券です。銀行で「個人向け国債」という名称を見たことがある方もいるかもしれません。債券とは「借入証書」のようなもので、利子や返済する期間(償還日)、返済する金額(償還金額)などが決められています。
国債を購入すると、定期的に利子が支払われ、原則、満期(償還日)になれば元本が返却される仕組みです。日本が発行する日本国債のほか、各国政府が発行している外国債券もあります。
株式投資
企業が資金調達のために発行する株式を売買し、その差額利益や配当金を期待する投資方法です。株価は、企業の業績や景気状況、各投資家の売買状況(需要と供給)などの影響を受けて常に変動しています。
株式の現物取引では、自分が投資した金額以上の損はしません。余裕資金で行うことや、少額の投資とすることでリスクの低減が可能です。その他、株式を売らずに保持すると、配当や株主優待などのインカムゲインも期待できます。
FX(外国為替証拠金取引)
FXとは「Foreign Exchange」の略で、外貨を売買してその差益を得る投資手法です。外貨の為替差益によって収益を得る投資方法には、先に紹介した外貨預金もあります。
FXでは、「レバレッジ」という手持ちの資金を超えた金額で取引できる仕組みが利用可能です。レバレッジをかけることで、担保となる資金(取引保証金)の何倍もの金額を取引できます。これにより、少ない資金で大きな投資が可能です。
ただし、思惑と逆の方向に為替が動いた場合には、損失が大きくなる恐れもあるため、注意を要します。
暗号資産(仮想通貨)
暗号資産(仮想通貨)とは、インターネット上でやりとりされる通貨のことで、公的な発行主体や管理者が存在しないのが特徴です。
「仮想通貨」という名称を、聞いたことがある方も多いかもしれません。しかし、2020年5月1日に改正資金決済法と改正金融商品取引法が施行され、「仮想通貨」という呼称から、「暗号資産」に切り替えられました。
暗号資産は、短期間で価値が何倍にもなる可能性がある一方で、需要の増減や市場の変動によって価格が大きく下落するハイリスク・ハイリターンな商品です。
預金保険機構のような補償があるわけではないため、注意が必要です。
ETF(上場投資信託)
ETFとは、「Exchange Traded Funds」の略で、日本語に訳すと上場投資信託です。ETFは、先に紹介したような投資信託のうち、証券取引所に上場しているものを指します。株式と同様に証券取引所を通じて売買取引できることが特徴です。なお、ETFでは上場しているもののみが対象であるため、一般的な投資信託と比較すると商品数や種類が少ないという特徴もあります。
不動産投資
不動産投資は、利益を得ることを期待して土地やアパートなどに投資する方法です。例えば、物件価値の上昇を期待して不動産を購入し、価値が上がったときに売却して利益を得ることや、購入した不動産を人に貸して家賃収入を得ることもできます。
ただし、不動産購入資金が大きくなる傾向にあるため、初心者にはおすすめしにくい投資方法です。
金(きん)
金は、世界共通の価値で扱われている投資資産です。金の取引は米ドルで行われ、日本国内での金価格は米ドルの為替相場の変化に応じて上下します。金は世界情勢の変化に強いことが特長です。そのため、「有事の金」とも呼ばれ、株安などが起きると、安全資産として金を買う人が増えるといわれています。
なお、埋蔵量に限りがあるため、金を買う人が増えて価値が上がる場合はあっても、歴史上、無価値になったことはありません。
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